ブックレビュー『特別支援教育』って何?
私あんまり本は読まないんですが、自分の記録代わりにレビューをしていこうと思います。
[書籍のゆうメール同梱は2冊まで]/「特別支援教育」って何?[本/雑誌] (通知表がオール“もう少し”の学校心理士の) / 山内康彦/著
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読みやすく、ためになりました。
二時間もかからず読めちゃいます。
先生自身に発達障害があり、実際の通知表の評価がまさに!という書かれ方をされています。
もう何十年も前なので、担任の書き方も辛辣…。
明るいタッチで書かれてますが、さぞ辛かったろうな、と思います。
読んで感じたことは、
・立派に大人になれるかも、という一筋の光を感じた。
→得意を伸ばせ!
・親、大人、家族以外との繋がりの重要性
→自立後をみこして…
・勉強も大事だけど、社会性を伸ばせ!
先生は、授業中座ってられず縛られたり(おいっ!💦)、字がうまく書けなかったり、苦手なこともたくさんあったけど、得意なこともたくさんあるそうです。
サッカー、スキー、ジェットスキー、手品などなど。
これなら人も注目して仲間が作りやすそうって趣味ですよね。
特に手品はお父様が教えてくれて、友達から敬遠されがちなところ、うまく溶け込むツールとして活躍したそうです。
教師時代も、子供の興味や注目を引くにはうってつけだったようですね。
手品につられて家に遊びに来たお友だちに、お母様がおやつを出して、繋がりをもつ(餌付け?)。
すごいアイデアマンだし、やさしいご両親です。
得意なところを伸ばせ!って良く聞きますが、親の立場で特性持ちの子供を持つと、「普通にさえなってくれれば」みたいな考えに陥りがちです。
悪目立ちするな!みたいな。
でもやっぱり、得意や好きを伸ばせば、それにつられて他の部分も大きくなるし、カバーもできる。
親になると難しいけど、やはりこれって大事なんですね。
思い出に残る先生は、「認めてくれて」「信じて伸ばしてくれる」ような先生。
表面だけを見て怒られることが多いですが、やはりちゃんと見てくれて認めてくれる大人には心を開くんですね。
その大人が他の子や社会とのかけはしになれば、ちゃんと成長していく、と先生の体験談読んで感じました。
発達障害だから、とか。
見られたくない、隠したい、とか。
で、人との繋がりを断ってしまったり、家族のなかだけで生きていくのは良くないなって思いました。
というのも、思春期においては、親の言うことは聞かず反発する時期が来ます。
こんなとき、信頼する別の大人が叱って諭したら?
効果抜群じゃないですか?
また、大人になって仕事を始めます。
何から何まで理解して、配慮できる家族とならできるけど、家族以外の人とは何もできないじゃ困るんです。
家族じゃなくても、やっていかなくてはならないんです。
家族以外の繋がり、コミュニティ。
今の時代難しいですが、放課後デイ、習い事、ご近所さん、何でもいいから、繋がりを持たせてあげたい、と思いました。
多くの、色んなタイプの大人が、子供の事を知って、見守ってくれていたら心強いし安心感があります。
こういう環境作りも、親の工夫や情報収集が必要だなと感じました。
これらが二次障害を防ぎ、最終的な就業に繋がって行きます。
そして、勉強も大事だけど社会性も大事!
勉強が出来ても、法を犯してはいけません。
そして、就業を目指すなら、身辺自立、移動、指示が通ること、だそうです。
勉強も大事だけど、自分の事は自分でできることの方が、大事なんです、と。
えー?本当に?と思いましたが、確かに算数苦手でも漢字苦手でもパソコンもあるし、誰かが助けてくれる。
でも、今私が世話してるようなことは、いずれ誰もしてくれない。
会社ではもちろんしてくれない。
特性のある子達は、「いずれできるようになる」が期待できません。
勉強は学校でやってくれます。
この本を読んで、
そうか~。
と、思い、当たり前の大切なことを、しつこいくらいに身に付けさせてあげようと思いました。
洗面、歯磨き、入浴、着替え、食事。
片付け、明日の準備。
交通ルール、危ないこと、やってはいけないこと。
しつこいくらいに教えてルーティンにして、年齢が上がったら、ステップアップできるようにしよう、と思いました。
高校進学について、就業についても書かれており、少し先が見通せるようになります。
先生自身の子供時代・教師時代・特別支援教育の専門家としてのリアルな話が盛りだくさんで、決して理想論に終始している訳でも、悲観的になるわけでもなく、我が子(と私自身)を見つめ直すことができました。